オールオン4の問題点

日本におけるAll-on-4の第一人者である、「MALO CLINIC TOKYO」の下尾 嘉昭 先生らによると、All-on-4治療において起きやすい偶発症として、下記を挙げています。

(出典:木村 智憲 + 下尾 嘉昭 インプラント ジャーナル 2012年 51秋号)

口角炎について

口角炎
以前、下尾先生と対談したと時に、これらはAll-on-4に限った話ではなく、普通のインプラント治療や歯科治療でも、起こり得る偶発症と仰っていました。ただ、All-on-4は術野が広いので、「口角炎」は起こりやすいのは事実です。経験的に7~10日で完治しますので、あまり大きな問題ではないと思います。

神経損傷

神経損傷
問題は神経症損傷です。特に下顎の下歯槽神経の麻痺です。今はCTがありますので、まず起こり得ない偶発症と言えます。また、NobelClinitianという設計ソフトを用いることで、神経や血管を避けた、ガイド手術が可能となりました。これはインプラントの深さ、方向を決定づけられますので、安心安全な手術として、必須です。

発音(構音)障害について

発音(構音)障害
発音障害は、構音運動を理解していれば、あまり問題になることはないと思われます。幸い、自分の場合は相当数の総義歯の経験が、All-on-4の臨床に生かせていただいていると、患者さんに感謝しています。

プロビジョナルに関する問題点について

プロビジョナルに関する問題
プロビジョナル(仮歯)の問題は、技工士も含め技工操作の技術的エラーです。経験を積んだ技工士であれば、不適合や破折といった問題はまず起こり得ないと思います。

インプラントの脱落

インプラントの脱落
インプラントの脱落は、上記の「プロビジョナル(仮歯)の問題」に起因します。不適合な技工物は、一見合っているように見えてもネジで締めこむと、継続的な側方圧(押しつけの力)が掛かり、インプラントがダメになります。破折も同様です。

他に「ブラキシズム(歯ぎしり)」を問題にされることもありますが、咬合理論とTCH(“Tooth Contacting Habit"(歯列接触癖)の生理機序を理解していれば、解決できます。ブラキシズム→破折→脱離という論理は、最初のブラキシズムに対するアプローチが可能であれば、脱離は回避できます。